はじめに
たまには、僧侶らしく法話をしたいと思います。
目に見えない世界に触れていくにつけ明確になっていったことは、自分のこころを変えることは難しいということです。
自分のこころも変えられないのに、人のこころなど変えられない
多くの人は、この大きな誤解のもとで一生を終えていきます。ハラスメントや詐欺の横行、環境破壊に戦争、自分一人が良ければそれでいいという世界の象徴的な現象です。
人を変えようとする行為は、やがて外へと向かいます。そして、相手を力でねじ伏せようとするのです。行き着く先は、戦争しかありません。
内面を見つめる大切さ
まず、立ち止まって、自分の内面に向かってみましょう。
最初の取っ掛かりは、ふっと起こってくる思いのまま行動に移す前に、もう一度思い返してみることです。
こんな思いでいいのだろうか?
このまま動いていいのだろうか?
思いは、やがて行動となって表れます。行動となってしまってからは、取り返しがつかない場合もあります。
思い付きで人を判断し、思い付きで人を非難し、思い付きで人を貶める
これでは、いつまでたっても人は幸せにならないし、温和な家庭、引いては平和な世界は訪れません。行動に起こす前に、今一度相手に対して思い直してみましょう。
相手の行動や表情からピンカンと情報を読み取る努力をする
読み取った情報から、相手の気持ちを汲み取ろうとする。これは観音行という修行のひとつの入り口となります。
思い換えの大切さ
行動を起こす前に自分のこころを見直す3要素は以下の通りです。
- 何か行動を起こす前に、今一度立ち止まってみましょう。
- 自分が一番正しいという思い込みを捨てましょう。
- 思い直さなくても、思い換える努力をしましょう。
自分が変われば世界が変わり、周りの人も変わっていきます。これは真理です。
自分を卑下したり、執着や欺瞞、相手に起こす怒りや嫉妬など、こころに這いこんでくるよこしまな考えを悪想念と言います。
例えば、お金のことばかり考えていれば、お金に執着した心無い人が寄ってきます。そして、昨今の強盗や詐欺事件のような人生を棒に振ってしまうような結果を引き起こしてしまうのです。
人は自分のこころの在り方によって、周りの世界や人を無意識に選別している
変われなくてもOK
自分のこころを変えることは大変難しいですが、思い返していく努力は無駄にはなりません。
自分を知ろうと努力すれば、やがて気づきが生まれる
そこから、
あ、いつもの自分の思い癖が出た!
と少し立ち止まることができるようになります。ここに至ればしめたものです。自分の人生の大半は、成功したと思って頂いて結構です。
おわりに
世間が目に見えない世界に対して抱いている固定観念のひとつに、マインドコントロールがあります。目に見えない世界を想うことは、何かにコントロールされているわけではありません。むしろ、自分を開放しているのです。
目に見えない世界を含めて、あらゆる可能性を持って、大きな視野に立てることができれば、自分を見直す絶好のチャンスとなります。
広い視野に立って自分を見出していく行動
自分を卑下する癖から、自分の内面をただ見つめる癖に変えていきましょう。これが、人生における最大の目標です。自分の思いの発端に気付くようになれば、自然とより良い人生が開けていきます。